湯原温泉病院への訪問(診察編) [アトピー性皮膚炎]
前回の日記の続きです。
(前回の記事にも色々と書いてあるので、併せて読むことをおすすめします。)
岡山駅から湯原温泉病院に行くためには非常に長い時間がかかることを知った私は、診察の前日に温泉街の宿に宿泊して、翌朝病院へ向かうことにしました。
起床して朝食を済ませた後、昨日使った真庭コミュニティバスで湯原温泉病院へと向かいます。
宿から病院までは2キロほどの為、体力に自信のある方は歩いても行ける距離だと思います。(男性の足だと20分程度)
病院の敷地はとても広々としていて、建物全体もオレンジ色の屋根に白い壁面で構成されており、病院というよりは、健康ランドにやってきた感覚。
何よりも、岡山の市街地からバスで数時間もかかるこの人里離れた山中に、これほど奇麗な施設があることに
驚かされました。
失礼な話ですが、到着するまでは、敷地は立派だけれど、肝心の施設は廃れているのでは…などと勝手な想像をしていたからです。
(院内の窓から見える景色。)
中に入り、簡単な問診票を記入した後、診察を待ちます。
30分ほど経った頃、診察室に呼ばれました。
診察していただくのは、淀川キリスト教病院から来訪されている非常勤の先生。
(私はこの時点で初めて知ったのですが、淀川キリスト教病院は、大阪ではアトピーの治療で有名な病院とのこと。)
私が湿疹の出来具合、治療方法、使用中の薬を説明すると、先生はゆっくりと次のようなことを話してくださいました。
・成人してからのアトピー性皮膚炎は、
外的要因よりは内的要因に依るところがある。
→要は「心因性=メンタル」に依るものが大きい、ということ。
「アトピーは心の病気である」と先生は話していらっしゃいました。
逆に、幼い頃に発生したアトピーは、成人するまでに収まってしまう事の方が多い、とも仰っていました。
・基本的な生活習慣の改善で炎症は抑えられる。
→「おてんとさまが上がる頃に起きて、ご飯を食べて、ちょっとした運動をして寝る」
これだけで治るよ、とのこと。また、甘いものや嗜好品を控えるのも重要とのこと。
・ステロイドを抜けば治る、というのはちょっと違う。
→ステロイドは数十年に渡って小さい子から大人まで色々な形で処方されている薬。
適切に使って傷を治して皮膚を安定した状態にすばやく持っていくためにも、
ステロイドを使用することを恐れないようにする。
「使用すること」が悪いのではなく、「使用し続けること」が良くない。
生活習慣や物事の考え方について、色々なことを教えていただいたのは初めての経験でした。
私が東京から岡山まではるばるやってきた気持ちを汲んでいただいたのかも知れませんが、非常に丁寧で分かりやすい説明をしていただけました。
キリスト教病院の方だからか、物腰も柔らかく、話していて癒されるような気持ちになりました。
また、ここで新しい薬と出会います。
ひとつは、親水軟膏という保湿剤。
もうひとつ、KM軟膏という、ワセリンにメンソールが配合されているかゆみ止め。
先生曰く「かゆくなったら塗るといいよ、スーっとして楽になるから。」とのこと。
これはありがたいです!
診察が終わったのは11時前。
9時半には到着していたので、およそ1時間半病院で過ごしたことになりました。
正直、東京で診察していただいていた病院では、いつの頃からかは忘れましたが、患者の数が多いからか、親身に話を聞いてくれることは少なくなりました。
患者である私がどう感じているのか、それをヒアリングすることなく、一方的にステロイド薬を処方するだけ、そして回復していないようならより強いレベルのステロイド薬を処方する。
これでは、その人の外傷は解消できたとしても、心理的な面のケアは置き去りになってしまいます。
もちろん、皮膚科の先生は心の先生ではないため、そうしたことを求めるのはナンセンスかもしれません。
ですが、患者の話を丁寧に聞いて、緊張や不安を解きほぐしてもらうことが、アトピーの炎症の沈静化に必要である、という確信をこの病院で得られたのは確かです。
私は、頃合いを見てこの病院に入院する事に決めました。
それについては、また実際に入院をしてからレポートしたいと思います。
8/24追記:レポートを書きました。