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アトピー性皮膚炎の患者が携えねばならぬものとは [アトピー性皮膚炎]

アトピー性皮膚炎に悩まれている方とお会いしていると、
時折、こんなお話をうかがう機会があります。

「食べ物の制限などはされていますか?」
『甘いものや白米を控えるようにしてはいるんですが…(沈黙)』
「…ですが…?」
『やっぱり、良くなってくると食べたくなって食べちゃうんですよね。(笑)』

あなたの身の回りにも居ませんか、こんな方。

僕はこういう方とお話をしていると、
顔には出しませんが心底ガッカリします。

こういう方は、自宅が火事になっている時に
水の代わりに灯油を撒いているようなものです。

例えば、桃アレルギーの人がいます。

桃アレルギーの方は、桃そのものはもとより、
桃の果汁入りの飲み物や、お菓子も避けないといけません。
万が一口にしてしまった場合、じんましん、かゆみ、呼吸の乱れなど
様々なアレルギー症状に悩まされることになります。

そばアレルギーの方は、そばを避けることはもとより
「調理の際にそばを茹でたお湯が使われていないか」
まで気にしなければならない方もいます。

昨年の12月には、東京都調布市の小学校で、
給食のチーズ入りチヂミを食べた生徒が死亡するという、
嘆かわしい事故も発生しています。

給食でちぢみを食べた女児、死亡 アレルギーか(マイナビニュース)

アトピー性皮膚炎に悩んでいる方が
なぜ甘いものを控えるように薦められるというと、
甘いものを摂取すると脳からかゆみを生じさせる
物質が分泌されるからです。

かゆみといえば、皮膚炎を抱えている上で
一番の天敵ではないでしょうか。

甘いものを食べることは、その天敵を
自ら呼び寄せていることになるのです。

アトピー性皮膚炎は、他のアレルギーと同様に、
何かを控え続けてこそ得られる結果があります。

控えなければいけないものを、ネットや第三者が
情報として発信してくれているのにもかかわらず
控えられないということは、
それはもう自分を律することができない、
自身の精神的な弱さの問題になってきます。

「アトピーは甘え」のような言説が唱えられ続ける原因のひとつは、
こうした患者の方が少なからず存在しているからではないでしょうか。

そうは言っても、
「先生があまりに極端な食事制限をするとストレスになる、
と言うから食べることもある」

と仰る方もいます。

けれど、個人的にはそれに甘えてはいけない気がするのです。

食物アレルギーの人は、その抗原を避けて生活をしていく人もいます。
アトピー性皮膚炎の患者は、そばや桃のように
死に至ることがないけれど、かゆみや傷の痛みで
耐え難い辛さや死に至るような絶望感を味わう瞬間もあるはずです。

ちょっと良くなったらその辛さを忘れて、
食べ控えることを止めてしまって
かゆみが出て逆戻り、なんて、笑うに笑えません。

甘いもの断ちを嫌がる人もいますが、
止めただけで絶望から逃れられるのなら
これほど容易いことはないとも思うのですが。

目指すは『自律』
律した先に、未来がちょっとずつ積み重なっていくのではないでしょうか。
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